・来去

~臨床例①~

 

・20代女性、目の周りのかゆみ、赤み

 

 

院:今日は来去。動脈は末端に流れている。そうゆう風に思っていた時もあった。まず来去分かる為には単指で診る。来去で何解る。虚実が解る。では虚だなと思って、全て来去・形勢・寛窄(かんさく)・薄厚・剛柔・高深・長短・幅広幅狭、これらは全て要素。要素と次の証と全て絡んでいる。だから一つのことで虚、一つのことで実、虚の要素、実の要素これだけで判断しないように。そして頭に入れておかないといけないのは来去。これが解って初めて浮脈、沈脈が解る様になる。これら(治療院に張ってある紙)はひとつの全て極まったもの。浮緊は風寒証。緊脈はどこにでもある。寸関尺どこにでもあるけど、多くは風寒は浮しかない。具体的に浮緊、沈緊、単指で診る。一番寸関尺浮中沈分かるとこどこでもいい、一番はっきりしているとこで診る。来はどっくんどっくん、上るは来、下りるは去。寸関尺結局同じ、はっきりしているとこ、寸の要素だから、寸だけ診ての来去、尺の来去。微妙に太さも固さも違う。寸診て来去はある。寸尺なんで違うのか診てる。来去はだれにでもあるけど、一つ気という言葉で「気が虚すると上らない」来しない、気が上らない。これらは全て正しい言葉で話している。陽は上る、陰は下りる。まず寸、陽を見てる。尺、陰を見てる。寸・尺違いあったら陰陽乱れていることになる。固い、表面固い、表面力ある。言葉難しい。表面固かったら寒。だからこの中で寒とか熱とか、虚とか実とか言葉巧みに使わないと。虚しているのか、実しているのか、あくまでも来去・虚実を診る。

 

(脈診て)これで陰虚だ。寸関尺、来去を単指で診てどこにでも存在する。はっきりしたとこで止めている、そして沈まで押すとなくなる。尺の浮の沈が。これらは要素だからはっきりしたとこだけ診てる。寸の浮だけ、尺の浮だけ診ているのではない。あくまでもはっきりしたとこ。表面、断面で脈を見る。来去の中で「かたい」どの字を使うか。固・硬・堅・剛。(ごう)(じゅう)虚実・寒熱を診る。一番はっきりしている所、周りぼやけている。この場だけでみたら、陰虚。ぼやける、これはひとつひとつやらないといけない。寸関尺これは縦のこと。来去は横のこと。どこ見るのか。縦横統一しないと。立体、三次元だから。親指を前、小指を後ろ、こんな言葉はないけど。横の前後がフワフワ、ぼやける。そして表面かたい。今、この患者の脈は表面かたくて、前後がぼやけて来も去もある。前後がぼやけるのは脈太い。熱は陰虚のこと、外に広がろうとする。寒は中に縮まろうとする。ぼやけるのは熱。尺、はっきり分かるとこ、左右で差あるかもしれないけどはっきりした所。来あるけど去ない。だから冷えている。前後動かして、来、上るのノロノロ、容易ではない。去、下りない、フワフワ陰虚。ノロノロ陰虚。要素は虚。固いは虚実寒熱を診る。中固いは寒。だから証は陰陽両虚、陰陽乱れて病気。形としてかゆみが出ているから病気としてある。寸の来去、尺の来去そして単指で分かる事としてノロノロぼやけ表面固い。

 

 

 


~臨床例②~

 

30代男性

 

 

 

院:寸で来去診ようとすると脈打っているのは分かるけど、来はあるけど去なし。尺は寸より分かりにくい。来あるけど去なし。3本指で診る。上る(来)の速い、去弱い遅い。遅いは遅脈のこと。遅脈は五臓の虚寒証に多い。寸の来去、来も去もあるが表面固い、細い。血管の中しごいて中に細いのがある、これは弦脈。虚しているから、表面前後ぼやけている。血管がぼやけている、ゆっくりしごくと中あるがぼやけている。これも胃気。沈めてしごくと弦。痰湿、痰化している。たまっている。単指だけでみると全部あるよ。要素と要素。深いは沈、浅いは浮。来去だけでかなりの要素。寸沈だけでもかなり違う。上るは陽、下りるは陰。虚しているのか実しているのか、熱に走っているのか寒に走っているのか、あくまで動きの話。来去の早い遅い、これを確認する。来去ではっきり早い・遅い・ゆっくり・上りにくい・上ろうとするけど上れない、これら正しい言葉ではないがイメージとして。あくまで上りにくかったら陽虚、上りにくかったら気虚。陽虚、寒いですか?気虚、疲れやすいですか?とか。あくまで来去は虚実。そして虚なら陰虚、陽虚なのか。陰虚なら前後ぼやけている。固かったら陽虚。深い所に冷えたまっていたら浮よりも沈。

 


~臨床例③~

 

Hさん 

 

 

 

院:全体的に来去は分かる。はっきりしている所で。全体的にパッとみて三人三様みんな違う。尺部の方がはっきり教えてくれる。土台の気だから。年齢相応の脈か陰陽が安泰しているのか。来去はある。来、上るの速い、速すぎではない。でも来去、比較して去が正常だとしたら来速すぎる、陽実。実だから目の所に表れている。目赤い。熱こもっている。かゆいのもそう。身体重い?

 

患:はい

 

院:年齢相応、口乾く。脈は滑脈、有力、痰熱のこと。滑脈で力なかったら痰湿。痰熱だからかゆい、身体重い。来あるけど去弱い。ないわけではない、来だけ、去ぼやけ。全体的に来も去もあるから良い状態だけど、身体重い、手浮腫んでいる。そして滑脈で滑、有力けっこう弾んでいる。痰熱、熱を瀉す。痰をいったら、気血の巡り良くしようとしたら陰陵泉。でも脈うっている。ただ滑は、足の陽明胃経で痰化したもの取り出す。一つは三里、痰化したもの瀉。補ではだめ。そうするとやわらかくなる。胃気でないとだめ。滑、有力ではだめ。寸の浮が沈めてだんだんはっきり。尺沈でも全体的にぼやけている。滑、力なし、だから弾みなし。尺の滑、関の滑弾まない。

 

 

 

~足三里刺して置針~

 

 

 

院:ぼやけていたのが表面固く、滑やや有力。さっきは有力。でも今は前後がはっきりしてきた。そしたらひとつの形出てきた。滑の中に弦出てきた。滑やや弦。痰熱から、次生まれたのは気滞。弦出てくる。痰熱だから体重い、湿も重い、熱あるから上(体を上下として)にものもらい、口内炎とか。なくなると次の要素、痰熱を作り出したもの。朝エンジンかからないでしょ?

 

患:はい

 

院:気が滞っている、気滞、寸の浮、表面固い、気が一生懸命上に上ろうとしている。上で滞っている。解放しないと。解放すると体の悪いものどんどん治る。それが癌だとしても。

 


~臨床例④~

 

Yさん

 

 

 

 院:脈にリズムがあるのかどうか。来は上るために勢いある。陽は上るために勢いないとだめ。ドックンドックン。今春だからドッ・クンではない。そして弁証、上るの遅い。だから頭の問題、上りきれない。でも土台は陰。本来なら陽が実の方に走らないといけない。実の方に走るんだから、脈は太くならないといけない。脈細い。細は冷えのこと。身体の陽気がはばまれている。阻む(はばむ)・塞がる・籠る・閉じる。尺沈沈めるとどんどん細く、これは塞がっている。塞がって伸びない。陰虚。陰の気阻まれているから陽だけ。熱。陽、細いのは土台の陰の気が細いから。だから気と血でいうと気血両虚。では陰陽では、陰陽両虚でも間違いない。だから厳密に言うと頭に上っていない。額が白い、私なら印堂に刺す。頭から引っ張り上げる。来が遅い。遅いのは陰の気がないから。去が目立たない。夜眠れない。当然のこと。印堂刺して去出てきた。

  

   ~置鍼~

 

阻んでる、塞がっていたものが解放されて上に行って脈が出てきた。尺沈骨まで押して浮に行くとフワ~と籠っていたものが解放されて、さっきはあった細い脈がない。でも短い。短いは気の鬱。長いは(ちょう)。何を意味するか。寸浮沈めるとなくなる。関へすぐながれる。これは虚熱。長脈は虚、気鬱は実。今度は補う、虚熱は補いながら瀉す。虚熱、細い鍼で大椎。虚だから。寸の脈沈めて、浮で関に流れる。そうすると寸と尺部の脈がはっきりしていれば良い。来も去もそして尺沈、関に流されない。最初は、尺部細い骨まで押しても細い。細いのは解放されて浮の方へ流れて、浮の方へ流れたということは陰に力がついてきたってこと。力なかったら動かない。そしたら滑でてきた。まだ細い。気が伸びてきて寸の中の脈が滑。そこで診るのは、どのような滑なのか。滑が太いのか、滑が細いのか、力ないのか。動かしてほしいのは熱、虚熱。虚熱は病理。熱は病理ではない。浅い所だから細い鍼。そして滑は生理的なもの。その滑が病理の方へ走ろうとすると太いとかあるいは細いとか有力とか有力ではない、色々分かれる。解放されて、そして頭の問題だから頭に気が上っているのかを一番に考えないといけない。寸沈まである。ちゃんと上っている。やわらか弾んでいる。そしてまだ陰虚の要素ある。ぼやけ、細い前後フワフワ。体に気が巡るようになった。これで滑、細いぼやけている、これをはっきりさせないと。足三里でも変化したのだから、熱、始め補。そうすると脈細いのが太くなる。

 

~鍼刺して置鍼~

 

 院:今どお?

 

患:頭痛い

 

院:それは寝ているから。起きて立って。いまどお?

 

患:ないです。

 

院:気上った。塞がっていたもの解放。

 


~臨床例⑤~

 

Aさん

 

 

 

院:痰湿、だから体重い。痰湿は極まると、私が質問するとしたら「転びやすくなった?つまずきやすくなった?」滑、痰湿、ひとつのストーリーが出来ている。来ぼやけている。そうゆうことより、邪気ある、痰・湿。完全な邪気。痰湿だから湿邪。湿邪を取り除く。実を瀉し、虚を補う。虚は両膝変形。両膝変形は慢性。慢性は虚。体は虚教えている。実を瀉さないといけない。

 

ス:湿邪だから陰陵泉?

 

院:湿は脾胃、足三里でも良い。そうすると邪気を瀉すのだから弾まないといけない。

 

ス:来去診る時、季節の脈との生理の差は?

 

院:厳密ではない。春は弦、夏は洪、秋は毛、冬は石、これは生理。病は病理だろ。あてはまらない。男は左、女は右。これは何を言っているのか。気功で労宮(ろうきゅう)(手の平真ん中の穴)を臍に置く。男は左手を臍、女は右手を臍に気をおさめる時に使われる言葉。これが脈に発展。これも要素の話。あくまでも脈の一つ一つは要素。体は病理。滑で有力、有力がしぼもうとして、広がるのは。その熱が関の方へ、関に集まる。そうすると中心に向かって、熱なくなることになる。中に入ると胃気高まって弾む。弾んだら胃気出てきた。気出てきて巡って心から気が廻る様になった。寒熱だから上熱い。寒熱あるから患者の中で1人だけ顔熱い・赤い。そして足先冷たい。右足冷たい、左足少し冷たい。これだけで気血乱れていると分かる。

 

脈とろうとして体に力入る。力入るのも体の中に溜まっている。発散出来ないから。もっと気を旺盛にしないと。尺沈だけ、寸の浮中沈、単指でみると伸びない。寸の浮だけはっきりしない。中ありそうだけど中ない。一つは湿取り除く。三里、一つは補う。補うと脈太くなる。寸出てくる。浮中沈寸関尺まで。足し算引き算どのくらい多いのか少ないのか。虚実、51495248とか。虚実ふたつだけでバランスとっている。虚が虚を呼んで、実が実を呼んで、当然邪気が入ったら体は荒れる。内邪は体に定着する。邪気の力で虚実動いている。補うのか瀉すのか。慢性は虚、補う。実、邪気、瀉。これも一つの法則。でも慢性は虚補ってから瀉す。厳密には虚を補う。邪気なら実を瀉す。内邪は虚を補う。